修繕費を支払ったときの仕訳

建物や備品の修理代を支払ったときの仕訳を、修繕費(費用)で処理する理由まで解説。価値を高める改良(資本的支出)との違い、未払いの場合、よくある間違いも掲載。日商簿記3級対応・無料。

結論の仕訳
借方 金額 貸方 金額
修繕費 30,000 現金 30,000
ポイント

原状回復のための修理は「修繕費」(費用)。資産価値を高める改良(資本的支出)は固定資産に加える。

なぜこの仕訳になるか

  • 修繕費(費用):元の状態に戻すための支出は当期の費用。
  • 現金(資産)の減少:修理代を現金で支払った → 貸方。
  • 資本的支出との区別:価値を高めたり耐用年数を延ばす支出は固定資産に計上する。

バリエーション

(a) 普通預金から支払った場合

借方 金額 貸方 金額
修繕費 30,000 普通預金 30,000

支払手段が変わるだけ。

(b) 代金が未払いのとき

借方 金額 貸方 金額
修繕費 30,000 未払金 30,000

後払いの場合は未払金で計上する。

(c) 性能を高める工事だった場合(資本的支出)

借方 金額 貸方 金額
建物 500,000 普通預金 500,000

元に戻すのではなく、使える年数を延ばしたり性能を上げたりする支出は費用にせず、固定資産の取得原価に加える。以後は減価償却の対象になる。

(d) 修繕にそなえて引当金を設定していた場合

借方 金額 貸方 金額
修繕引当金 200,000 普通預金 200,000

前期までに修繕引当金を積んでいれば、実際に修繕したときはまず引当金を取り崩す。超えた分だけを修繕費にする。

よくある間違い

  • 価値を高める工事まで修繕費にする → 資本的支出は資産に計上して減価償却する。全額を費用にすると当期の利益が過少になる。
  • 建物などの固定資産に含める → 原状回復の修理は費用(修繕費)。
  • 消耗品費や雑費にする → 修理は修繕費を使う。
  • 修繕引当金があるのに全額を修繕費にする → まず引当金を取り崩す。
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よくある質問

修繕費と資本的支出の見分け方は?
「元の状態に戻すだけ」なら修繕費、「性能が上がる・使える期間が延びる」なら資本的支出です。壊れた窓ガラスの交換は修繕費、建物に新しく空調設備を入れるのは資本的支出になります。
少額の修理は?
原状回復であれば金額にかかわらず修繕費で処理します。
未払いのときは?
修繕費を計上し、相手科目を未払金とします。
金額が小さくても資本的支出になる?
実務では少額のものは修繕費として処理する取扱いがあります。ただし日商簿記3級では、問題文が「性能を高めるため」などと書いていればその指示に従って資産計上します。
車検の費用は修繕費?
内容ごとに分けます。整備・部品交換は修繕費(または車両費)、自動車重量税は租税公課、自賠責保険料は保険料です。

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最終更新:2026-09-27