株式会社の純資産|資本金・繰越利益剰余金・配当
純資産は、資産から負債を引いた「正味の財産」です。株式会社では、株主の出資である資本金と、稼いだ利益の留保である繰越利益剰余金が中心になります。
資本金(株主の出資)
会社の設立や増資で株式を発行し、株主から払い込まれたお金は、原則として全額を「資本金」(純資産)とします。
仕訳は「当座預金(など)/資本金」。返済義務のある借入金とは異なり、会社の元手になります。
繰越利益剰余金(利益の留保)
決算で計算した当期純利益は、損益勘定から「繰越利益剰余金」(純資産)へ振り替えます:「損益/繰越利益剰余金」。
純損失のときは反対に、繰越利益剰余金を減らします。
剰余金の配当
株主総会で配当を決議すると、繰越利益剰余金を減らし、支払いは後日なので「未払配当金」(負債)を計上します。あわせて会社法により「利益準備金」を積み立てます。
配当は費用ではなく、稼いだ利益の処分である点に注意します。
純資産が動く場面は限られている
資産や負債と違い、純資産が動く取引はそれほど多くありません。3級で出てくるのは次の場面だけです。ここを押さえれば純資産で迷うことはなくなります。
- 株式を発行して払込みを受けたとき … 資本金が増える(貸方)
- 決算で当期純利益を振り替えたとき … 繰越利益剰余金が増える(貸方)
- 決算で当期純損失を振り替えたとき … 繰越利益剰余金が減る(借方)
- 配当を決議したとき … 繰越利益剰余金が減る(借方)
いずれも「元手が増えたか」「稼いだ利益が増減したか」のどちらかです。日常の売買取引では純資産は動きません。
貸借対照表での見え方
貸借対照表は「資産=負債+純資産」で成り立っています。純資産は、資産のうち返す必要のない部分、つまり会社の正味の持ち分です。
純資産が増えるのは、株主から新たに出資を受けたときか、事業で利益を稼いだときのどちらかです。借入でお金が増えても純資産は増えません。この違いが、会社の体力を測るうえで重要になります。
よくある質問
資本金と繰越利益剰余金の違いは?
資本金は株主の出資、繰越利益剰余金は会社が稼いだ利益の留保分です。
配当は費用になる?
なりません。配当は利益(繰越利益剰余金)の処分です。
利益準備金とは?
会社法で、配当を行う際に一定額の積立てが求められる準備金です。
純資産が動く取引は日常でも出てくる?
ほとんど出てきません。株式の発行、決算での利益の振替、配当の決議に限られます。日々の売買や経費の支払いでは純資産は動きません。
繰越利益剰余金がマイナスになることはある?
あります。累積の損失が利益を上回るとマイナスになり、繰越利益剰余金の欠損として表示されます。
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最終更新:2026-09-25